ver.Shanghai な日々


by MiHO-panda

カテゴリ:九賽溝・黄龍の旅( 5 )

その青年兄弟は北京からやってきたらしい。「あー、きみたちでしょ、さっき話聞いたよ!」と私たちが中国語を話せると分かるや否やすんごいスピードで話を進めてきた。中国語力に関して言えば私とかんたろう二人合わせてやっと一人前くらいの能力である。分からない単語を補い合ながらネイティブ中国人のマシンガントークに必死に応戦。要は明日雪が降った時のことを考えて、タイヤチェーン装着可能なタクシーを探して交渉しようということだった。

そしてさっそく4人で街へ出る。タクシーと交渉と言っても一体どこでどうするんだろうと思っていたら。まずは弟君がそのへん走ってる個人タクシーを、ねぇねぇ明日オレたち乗っけてくんない?ってなナンパ調で止めたかと思えば、すかさずこちらの希望条件を並べ立てる。相手の表情が少し曇り、でもそれは...と言いそうになったところで、いやいやそれはこうだから問題ないっしょ、とさらにたたみかけ、相手にとっても好条件であることをうまく強調する。かつ物を言わせる隙を与えない。果たしてあっという間に包車契約成立となった。
これがまた破格。なんと松藩から黄龍まで行って、帰りは黄龍から九賽溝空港まで送ってくれて、この往復約4時間以上の代金が一人50元でいいという。あっぱれ。改めて中国人の交渉力のすごさを思い知りました。

翌朝7時半、おんぼろタクシーに4人ぎゅうぎゅうで乗り込み、いざ雪山の黄龍へ出発。そしてその途中に待っていたのは信じられない光景の連続だった。
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Beyond description、もうこの時の感動はなんて言ったらいいんだろう。中国人二人は「天啊!」と繰り返し呟いていたけれど、それは本当に神様に感謝したくなるような未曾有の光景でもあった。自分の目と同じ高さに白雲たなびく雲海が広がる。それが朝の光に照らされて遥か彼方まできらきらと輝いている。静かな静かな、空と雪と光だけの世界。
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ほどなくして黄龍に到着。予想通り、池のほとんどが雪に埋もれているという。ただ一番上にある五彩池だけは見ることができるというので、日中韓登山隊、ひたすら頂上を目指し歩き始めました。
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アイヨー。やっぱり途中の池は雪に埋もれてる。
そして日本代表いちばんへなちょこですいません。途中あまりにも私がきつそうにしているのを見かねて、私のバックパックを皆が変わりばんこで背負ってくれたり、かんたろうに至っては階段があるたび前から引っ張り上げてくれたりと、皆のおかげあっての雪山登山。標高3500メートルの空気が希薄な中、心配していた高山病にも特に悩まされることもなく。

ついに到着、五彩池。もう何も思い残すことはありません。
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山に抱かれた5日間、それはまた秘境への思いをさらに強くさせるものでありました。
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■tsuなさん、そろそろお出ましかと思ってました。笑 みふいでもMiHOでも私は相変わらずでございます。でも中国来てほんとによかった。うん。
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by miho-panda | 2008-04-10 13:12 | 九賽溝・黄龍の旅
城壁の町、松藩。
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古くはチベットと中国を結ぶ交通の要塞として栄えた都市で、今なお漢族、チベット族、回族、チャン族が共に暮らしている。
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ここに着いた時点で夕方16時をまわっていた。まずは本日の宿決めからである。街を散策がてら、きょろきょろしながら歩いていたら「宿あるよ!見ていって!」とチベット族らしきお兄さんから声がかかる。いったんは無視して通り過ぎたものの、やっぱり見るだけ見てみよう、と戻ってきて、そこが意外にこぢんまりとして清潔なユースホステルだったので即決。ベッド二つと小さなシャワールーム兼トイレ付きの部屋、一泊60元。しかもすぐ隣はこの宿の老板夫婦が経営しているマッサージ店とレストランだったので、本日はここでお世話になりまくりです。
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とにかく1日半歩き回った後だったのでそっこー足部按摩をお願いする。かんたろうと二人マッサージしてもらいながら「あなたたちどこから来たの?」「私は日本人、彼は韓国人」なんてお決まりの会話を交わしていると、横で会話を聞いていたチベット族イケメン老板(声をかけてきたまさにその人)が「そういえばこないだ東京で放送された面白いDVDがあるよ」とテレビの方へ歩いていく。てっきりドラマかなんかが始まるんだろうと画面を見つめていたら、そこに映し出されたのはつい今しがた観光してきたばかりの松藩の街並み。どうやらNHK BSの「世界ふれあい街歩き」という旅行番組で松藩特集をやったらしい。

さらにその画面には見覚えのある二人が。...と思ったら今まさに目の前にいる老板夫婦その二人である。番組の中で、ここのマッサージ店と老板夫婦の一日が紹介されていた。それを見ながらみんなで大笑いする。旅の出逢いって本当に面白い。

ここのレストランも街のローカル具合を考えればなかなかのものだった。松藩でフライドポテトとブリトーが食べられるとは全く予想外。そして看板に唯一英語表記のあったこのお店、西洋人観光客は真っ先に目が行くらしく、私たちの隣ではフランス人の男の子が一人で食事をしていた。成都の大学に留学中でそこから旅行に来てたらしい。
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「Where are you from?」ビール片手にかんたろうが話しかける。まったくこの人の語学力には毎度恐れ入ってしまう。私と日本語で会話しながらフランス人の彼と英語でしゃべり、お店の女の子には中国語で韓国語を教えていた。というか、これは語学力というより人なつっこさの賜物でもあるかもしれない。この後、宿代はどうしても60元からまけられないわよ、と言う女老板にかんたろうマジック炸裂。チェックインの手続きを済ませて部屋に戻ってきたと思ったら「50元にしてくれたよー」と誇らしげにニコニコしていた。

さらにラッキーは続く。本当は次の日黄龍に行くかどうか迷っていた私たち。行っても雪がすごそうだしタクシー代も結構かかりそうだし、、と予定を決めかねていたら「明日はどこに行くの?」と老板が聞いてくる。「黄龍に行きたいけど、うーん・・・」と曖昧な返事をしていたら「えっ、ついさっきも中国人二人組が明日黄龍に行きたいって言ってたから、タクシー相乗りするといいよ!」と言い出した。わぁお。
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■うーちーださん、っていつぞやのうちださんどすか?わぁお。日本だと忍野八海ってとこが九賽溝に似てると聞きました。そうか、上高地もあんな感じなのか。

■limei、もうね、はなぢもんだったよ、あの風景。今度みんなで秘境写真持ち寄ってうっとり会やりたいね。
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by miho-panda | 2008-04-08 23:53 | 九賽溝・黄龍の旅
九賽溝二日目。朝起きたらなんと一面の雪景色だった。もうびっくりびっくりである。前日との気温差は軽く10度前後あったんじゃなかろうか。
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晴れ、雨、雪と、それぞれ違った顔を見せる九賽溝の景色にちょっと得した気分になりつつ、今日も五花海へ行ってみた。
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ただでさえ少ない観光客はこの時間帯バスで他の地点へ行ってしまったようで、しんと静まり返った銀世界の中、そこに佇んでいるのは私たちだけである。
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紺碧と白銀のコントラストは言葉を失うほど、ただ美しい。本当に別世界に迷い込んだようだった。降り続く雪は吸い込まれるように湖面に消えていく。その音すら微かに聞こえてきそうなほど。
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実はこの日まで九賽溝に滞在するつもりだったけど、予定変更して早めに松藩へ発とうということになる。そこで宿の老板に手配をお願いしていたバスチケットを無理言って時間変更してもらった。そしてお昼過ぎには近くのバスステーション(と言ってもほとんど掘っ立て小屋)から、またもや長距離バスへ乗り込む。

ここから松藩までは約3時間程度の道のりである。幾つか目のバス亭から、チベット僧侶らしき男の人と、大きな荷物を抱えた地元民らしき男の人が乗り込んできた。何やらばかでかい荷物だなぁと思っていたら、なんとチェーンソーとエアーコンプレッサーまで車内に運び込んでるじゃないか。それらは奥へ奥へと詰められて、ついに私の足元へやってきた。失礼あそばせ。こっそり靴を脱いで足を乗っけさせてもらった。こんなもんと一緒に旅をするのは言うまでもなく初めてのことである。

窓の外は相変わらずの雪景色。私たちにとっての非日常を乗せて、バスはゆっくりと雪道をゆく。

■仙人あのねぇ、このへん一帯は、ほんとに仙人がいそうな感じだったよ。
■limei、旅の道中、野生のねぎちゃんをいっぱい見かけました。(ほんとか?)大自然は色んな表情それぞれの美しさがあるね。今回それを学べたよ。
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by miho-panda | 2008-04-06 22:42 | 九賽溝・黄龍の旅
九賽溝と黄龍のオンシーズンは夏から秋にかけての時期である。標高3000メートルにも達するその土地柄、冬の間は雪に埋もれてしまったり閉鎖されたりしている場所がいくつもあるからだ。しかし逆に、オンシーズンはとにかく中国人観光客で溢れかえって大変なことになるらしいので、今回は森林浴しながらのまったり山歩きが目的ということもあり、まだ雪の残るこの時期を選んだ。結果的にこれが大正解だったと思う。

一日目の朝は最高にいいお天気。少し歩けば汗がにじんでくるほど日差しが強い中、長海から南に下るコースで周っていく。

九賽溝で一番奥地にあり、かつ一番大きい湖、長海。
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まだ真っ白な氷が張っていた。ここは標高3160mである。
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もっと下まで降りてみる。
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こんな場所に来たのは人生初めてのことで、ただ目の前の絵画のような風景に圧倒されるばかりで何も言葉が出てこない。

次に向かった五彩池。
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映画「英雄-HERO-」の撮影地でもある箭竹海。このあたりから太陽が陰り、だんだん雲行きが怪しくなる。
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熊猫海。
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そして九賽溝で一番美しいと言われている五花海あたりまで来たとき、ついに雨が本降りになってしまった。
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(それでも美しすぎるほどの透明度)
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時間もすでに夕方近かったし、今日はこのまま引き返すことに。明日もこんな雨が降り続いたらどうしよう・・・と不安な面持ちで宿へ戻る。
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by miho-panda | 2008-04-05 19:06 | 九賽溝・黄龍の旅
私が今まで中国語を勉強し続けてきた大きなモチベーションの一つ。それは、自分の足で中国大陸の秘境を旅してみたいということ。できれば団体ツアーじゃなくて個人旅行がいい。バックパックひとつ背負って気の向くまま安宿に泊まり歩くような旅ならもっといい。そしてそれを叶えるためには、ほとんど英語の通じない中国大陸においてある程度の中国語力が必要。

果たして今回その夢は、見事に現実となったのでした。春の九賽溝、黄龍の旅。

どうせ行くなら観光客の少ないオフシーズンに行ってみようということになり、一ヶ月前から着々と計画を練っていた。と言っても成都の旅行会社を通してバスチケットと宿を少し押さえただけで、あとは現地に着いてから考えよう、という適当お気楽トリップ。言葉が通じる、というのはこんなにも安心感を与えてくれるのです。

まずは上海浦東から四川省の成都へ飛び、次の日の朝は成都新南門バスターミナルから長距離バスに乗り込む。ここから九賽溝までは丸半日、約11時間の道のり。途中の道沿いはチベット族の居住地でもあり、まさにデモ騒乱が広がりつつあると報道されていたアバ州や茂県を経由する。
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そして大体想像はしてたものの、この長距離バスというやつが想像してた以上のアドベンチャー具合である。バスは切り立った崖っぷちを這うように進み、途中で山越えする長い長いトンネルはなんと真っ暗。そういえばディズニーランドのスペースマウンテンって確かこんなだった。ひとつだけ違うのは、一歩間違えばほんとに命がけってことだけ。そして正面からは大型トラックがひっきりなしにものすごいスピードで走ってきてはギリギリの距離ですれ違う。この恐怖、想像できますか。

車窓に広がるのはこんな風景。
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途中で壮絶なニーハオトイレに何度も遭遇したり、早くも秘境感たっぷり。このあたりはチベット族の集落なのか屋根の四隅が三角に尖った特徴的な家屋も多かったけど、その屋根にはまた物言わぬ赤いファイブスターの中国国旗が翻る。
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そんな風景を眺めながら色々考えていたら、11時間は結構あっという間。夜7時過ぎに九賽溝近くの宿に到着する。
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by miho-panda | 2008-04-04 18:09 | 九賽溝・黄龍の旅